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特別講演「芸術を巡る物語」ー源氏物語絵巻の方法ー

 当館では、皆様の創作活動がより楽しく深くなるよう、様々なイベントを企画していますが、そのひとつが「特別講演 芸術を巡る物語」。株式会社名古屋画廊様のご協力を得ながら、美大・芸大の教授や著名な芸術家を招き、1時間ほどの芸術にまつわる講演会を開催しております。今後の作品づくりのヒントになる話が無料で聞ける貴重な機会です。次回開催は3月中旬を予定しておりますので、ぜひお時間をつくって、ご参加くださいませ。

 ここでは、1月14日に開催した講演会をご紹介します。

「源氏物語絵巻の方法 ―物語を象<カタド>るということ―」
講師:愛知文教大学准教授 畠山 大二郎先生



 平安時代中期に書かれ、世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」。誰でも一度は、日本史や美術の教科書、テレビ番組やインターネット上で源氏絵を見たことがあるのではないでしょうか。

 美術館や博物館では絵巻を広げた状態で展示されているため、あまり知られていませんが、絵巻には絵巻の鑑賞法があります。まず絵巻を肩幅に広げ、右から左へ流れる絵や詞書(ことばがき)を鑑賞します。次の場面に移る際は、右手を閉じて、左手で開ける・・・これを繰り返します。西洋画は壁に掛けて、寄ったり引いたりして鑑賞するのが一般的ですが、高貴な日本人は畳に正座して生活していたので、このようなルールが生まれたのですね。
 連続式構図と段落式構図の違い、吹抜屋台、逆遠近法、引目鉤鼻など独特の表現方法についても、スライドで分かりやすく解説。

 そして西洋画との源氏絵巻の大きな違いは、「源氏絵巻には影が描かれていない」ということ。
古来日本では「影」という言葉は、太陽・月・星・灯りのように「はっきりとした形がなく目には見えないが、確かに存在するもの」を指す言葉だったそうです。庶民にとって、神仏・天皇・貴人はその存在を知っていても会うことはない遠い存在だったため、「天皇=見えない光=影、影を描くのは恐れ多い」と捉えられ、結果として絵巻の中には描かれなかったそうです。

 最後に畠山先生から、もうひとつの観賞ポイントを伝授。
「絵巻物を観賞する機会があれば、正面からだけではなく、斜め横からも観てください。照明が当たって金銀の絵の具が浮いたり沈んだりしている部分があり、絹織物のような美しさに気が付きますよ」


(株)名古屋画廊様ホームページ
http://www.nagoyagallery.co.jp/

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名古屋市千種区池下町2-28, 052-751-8033
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